賃貸経営の準備

賃貸経営を始めるまで

賃貸経営を始めるには、どんな準備が必要となるのでしょうか。おもに土地を所有している場合の賃貸経営ができるまでを見てみます。

リサーチしよう

img-19-1 賃貸経営といってもその方法はさまざまです。土地や建物を所有している場合とそうでない場合でだいぶ変わってきます。土地を所有していれば、その場所にマンションかアパート、もしくは高齢者施設などを建てるという選択肢があります。土地を所有していなければ、土地を購入して建物を建てるのか、または既存のマンションやアパートを購入するのか、一棟まるごと購入か、一室のみなのか、などいろいろなことが考えられます。どれにおいてもまず初めにすることは、土地やその周辺環境のリサーチです。リサーチをすることで、どういった賃貸経営をすればいいのかが見えてきます。 まず所有している土地に、どれくらいの建物が建てられるかの目安をつける必要があります。そのためには用途地域、建ぺい率、容積率をはじめとする各種制限を調べます。さらに、土地の周辺環境をリサーチすることも大切です。商業地なのか、住宅地なのか、利便性はいいのか、商店街の有無などの生活関連施設はどうかなどの立地条件をみます。それらをトータル的にかんがみて、その土地を生かして有効利用するにはどういうものが最も適しているのか、について方向性をまとめていきます。

建ぺい率と容積率

用途地域により建物の建ぺい率と容積率が指定されています。建ぺい率とは、敷地の面積における建築面積の比率の上限のことを言います。また、容積率とは敷地における述べ面積の比率の上限を言います。

<例1>第一種住居地域で、土地100坪の建ぺい率は?
第一種住居地域の建ぺい率は60パーセントとなりますので、

100坪×60パーセント=60坪

という計算になります。

<例2>第一種住居地域で、土地100坪、容積率が100パーセントの土地の容積率は?

100坪×200パーセント=200坪

という計算になります。
この場合、もしも一階の面積を50坪にしたら、4階までの建物を建てられるということになります。
しかし建築基準法では、用途地域により高さ制限もあるので確認が必要です。
同じ面積の土地でも、用途地域の違いで面積の100パーセントまで建てられる場合と、200パーセント、300パーセント、400パーセント建てられる場合では、賃貸事業の収益率が変わってきます。制限の中で効率のいいものを建てる工夫が必要になるといえるでしょう。

コンセプトを決めよう

img-19-2 リサーチ結果をもとに、周辺環境やその土地の特性を活かすにはどういった賃貸物件にすればいいのかを考えます。さらに土地だけを見るのではなく、賃貸経営を行うオーナーの資産や家族の状況、予想される相続税や遺産分割なども考慮して計画を立てていく必要もあります。
賃貸経営は長期事業となります。なるべく周辺物件との競合は避けたいものです。間取りや設備、外観、家賃などで競争力の高い物件にしておくことが必要です。そのためにはどういった物件をつくるのか、何をウリにするのかなどのコンセプトを決めることが大切です

専門家のアドバイスを受ける

より有効な賃貸経営をするためには、コンサルタントなどの専門家に見てもらうこともひとつです。リサーチも含めて、有効利用の案をいくつか出してもらうこともできます。また収入と収支、実際の手取りの予想額も算出してくれます。事業計画も細かく立ててくれますので、金融機関で借り入れをするときにも役立ちます。

見積もり確認、建築会社の決定

コンセプトを決め、どういう建物を作るかを決めたら見積もりをとります。見積もりは建築会社数社に依頼をし、比較をするのがいいでしょう。また場合によっては、建築会社から話を持ち掛けられ賃貸経営を始める場合もあるかと思いますが、その場合はその建築会社のみと相談をすることになります。
もしもコンサルタントを入れているということであれば、見積もり用の図面や仕様書を先に作成していることが多いので、同じ内容のものを建てる場合での価格比較をすることになります。

事業資金の申し込みから調達

img-19-3 建築会社も決まり、見積もりもある程度分かったら、金融機関から建築資金の借り入れを受けます。事業計画書や土地に関する資料などを提出し、事業計画の目的や説明をします。金融機関によって、融資の条件はさまざまです。金融機関も複数に相談をし、同時に担保や事業内容を検討してもらいます。さまざまな条件を比較して、資金調達が可能な金融機関に融資の申し込みをします。
融資が決定したら、融資金額、融資時期を確認し、資金計画にそって融資が必要なタイミングに振込み準備などをしていきます。場合によっては助成金などを受けられる場合もありますので、関係機関で確認してみましょう。

建設工事が始まったら

建築会社の規格商品(マンション、アパート)であれば、壁紙、外壁、設備などの細かい選択は不要です。もしも一からオリジナルで建築するのであれば、建設工事が始まってから決めていくこともたくさんあります。外壁の仕様や壁紙の柄や色、キッチンや浴室、トイレのタイプや設備はどうするかなどをひとつひとつ決めていきます。土地所有者が施主であり決定権がありますので、会議などにも参加することになります。きっとオリジナル物件のほうが愛着がわき、作り上げる楽しみが生まれることでしょう。

完成から引き渡し

img-19-4 物件が完成するまでには、早めに管理会社(賃貸経営業者)を決めておくことが必要です。完成前より家賃を設定し、入居者募集を開始して完成と同時に入居が始まる、というのが理想だからです。 建物が完成したら、建築会社から施主(オーナー)に引き渡しが行われます。建築工事の最終確認が引き渡しとなりますので、建物の内部、外部の出来上がりをきちんと確認しましょう。また事前にいい加減な工事を防ぐために、工事期間中より定期的に工事の検査をしてもらい、報告をもらうことがいいようです。完成してから基礎に問題があったりしたら大問題です。積極的に工事現場に足を運んで、自分の目でチェックしておきましょう。

まとめ

賃貸経営を始めるまでにも、いろいろとリサーチや、決定しなくてはならないことが多数あります。はじめて賃貸経営をする場合は、特に専門家のアドバイスも受けながら、所有する土地にもっとも適した事業を行うようにしましょう。

参考文献
「アパートマンションの作り方」曽根恵子著 週刊住宅新聞社刊
「アパート経営のことならこの一冊」山本公喜著 自由国民社刊
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