相続税改定特集

親族で争わない為に…気を付けるべきこととは?

相続税対策のために土地活用や賃貸で「節税を考える」という方は多数いることでしょう。では実際財産を分配することになった時、親族で争わないためにはどういったことに注意した方がいいのでしょうか。

相続の開始はいつ?

「相続」とは、亡くなった方の財産を、その方の親族あるいは一定の関係にあった人が受け継ぐことをいいます。亡くなった方は「被相続人」といい、財産を受け取る側の人たちを「相続人」といいます。相続は、被相続人が亡くなったと同時に開始となります。特に法律上届出などは必要がありませんが、相続人が被相続人の死を知らなくても相続は開始されます。

相続人と法定相続分

img-124-1 民法で定められている相続人の範囲、法定相続分は下記のようになります。

相続人の範囲

亡くなった人(被相続人)の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。

第1順位 被相続人の子供 その子供が死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供、孫)などが相続人になる。子供も孫もいる場合は、被相続人に近い世代の子供が優先となる。
第2順位 被相続人の直系尊属(父母や祖父母など) 父母も祖父母もいるときは、被相続人により近い世代の方が優先となる。第1順位の人がいない場合に相続人になる。
第3順位 被相続人の姉弟、姉妹 兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その子供が相続人となる。第1順位、第2順位どちらの人もいない場合に相続人になる。

なお、すでに相続を放棄した人は初めから相続人でなかったとみなされます。また内縁関係の人も、相続人としてみなされません。

法定相続分

法定相続分とは、実際相続することができる財産の割合です。被相続人との関係や相続人により割合が変わってきます。

配偶者と子供が相続人 配偶者1/2
子供(2人以上のときは全員で)1/2
配偶者と直系尊属が相続人 配偶者2/3
直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3
配偶者と兄弟姉妹が相続人 配偶者3/4
兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4

子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いる場合は、均等に分けることが原則となります。ただし民法に定められている法定相続分は、必ずしも守らなければならないというものでもありません。相続人同士で納得のいく分与ができればそれでかまいません。

トラブルは他人事じゃない?

img-124-2 よく財産分与が原因でトラブルが起きた、などと話を聞くことがあるでしょう。平成22年度の司法統計の「遺産分割事件のうち調停成立件数の遺産価額」によると下記のような割合で争いが起きています。

fig-124-1

こうしてみると、相続によるトラブルは資産家だけの話ではないようです。また、財産分与の仕方も場合によっては複雑化してしまうことがあるでしょう。手元に現金がありそれを単純に割合ごとに分けられれば簡単かもしれませんが、現金のほかに建物や土地がある場合は、どう分割するかが問題になります。もしも相続をにらんで土地活用や賃貸経営をするのであれば、先々のことを考え子供や孫に分配しやすいようにプランを立てることも必要でしょう

遺言状の必要性

img-124-3 相続のトラブルを避けるために遺言状を残しておくことも必要でしょう。遺言状があることで下記のようなメリットがあります。

  • ・本人の想い通りに、財産を分配できる。
  • ・相続人が争わなくていい。
  • ・身内以外のお世話になった方に財産を分配できる。
  • ・遺言状を残すことで本人の気持ちも軽くなる。

ただし、遺言状に書いてあるからといって、すべてが法律上の効力が生じるとは限らないようです。効力があるものは下記のようなものです。詳細は専門家に相談しましょう。

身分上の遺言事項 認知や未成年後見人の指定、未成年後見監督人の指定など。
相続に関する遺言事項 推定相続人の廃除又はその取り消し、相続分の指定又は指定の委託、遺産分割の方法の指定又は指定の委託など。
相続以外の財産処分に関する遺言事項 相続人以外の人への財産分与など。
遺言執行に関する遺言事項 遺言執行者の指定など。
その他の遺言事項 祭祀主宰者の指定など。

特に遺言状が必要な場合

お金が絡んでくるとどうしても争いは起きやすくなります。家族、親族であれば財産分与は当然の権利です。ただ生前の関係もあるでしょう。血のつながりが薄くてもお世話になった方には残してあげたいと思うこともあるでしょう。そういった時こそ遺言状は必要になるのです。たとえば夫婦間で子供がいない場合、再婚をして先妻と後妻それぞれの間に子供がいる場合や、介護を献身的にしてくれていた息子のお嫁さんに残してあげたい場合など、それぞれの環境によるとは思いますが、できるだけトラブルを避けられる策をとっておきたいものですね。

まとめ

相続税対策のために、土地活用や賃貸経営をうまく利用して節税するのは大事なことです。さらに相続そのものに備え「もめないための対策」をとることも必要です。遺言状を残しておくこともひとつですし、土地活用や賃貸経営を始める前に財産分与のことまで視野に入れるといいでしょう。専門家に相談し、理想的な土地活用や賃貸経営を目指しましょう。

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