土地活用・アパート経営の間違った活用法

事業収支計画のポイント集

建設会社や銀行の営業マンから持ち込まれる事業収支計画書。もっともらしい数字が並んだ書類を見て「プロの立てる計画だし信じてもいいかな?」と思う不動産オーナーもいるでしょう。しかし土地活用とは「オーナー自身の資産が増えるか、減るか」に関わることなのです。オーナー自身が理解し、納得した上で取り組まなければなりません。

土地活用の計画が必要な理由

img-85-1 皆さんは、見ず知らずの人から「この土地で、賃貸経営しませんか? きっと利益が出ますよ!」と、突然おいしい話を持ちかけられた場合、その話を信じられるでしょうか? おそらく「大金が掛かることだし、家族とも相談しないと……」と迷う部分のほうが多いでしょう。建設会社や銀行の営業マンもその点を理解しているので、「自分の話を信じてもらえる状況」をうまく作り出そうとします。
土地活用に失敗すると、不動産オーナーが失う資産は数千万円~数億円という金額になる場合もあるので、慎重になりましょう。

結婚式を挙げたときを思い出す

人生で初めて大金を使ったのは「結婚式を挙げたとき」だった人も多いでしょう。結婚式・披露宴の費用について頭を悩ませた経験を、ぜひ思い出してください。どのような内容にしたいかを考え、見積りを取るとともに、自己資金を準備し、受け取る御祝儀の見込み額などを考え併せて、式次第を決めたことでしょう。
綿密に計画したつもりでも、料理や引き出物のランクアップや、演出・余興を取り入れたことで、予想より費用がかさむこともあったでしょう。また、御祝儀の額が予想と違う、欠席者が予想外に多いなど、計画通りに進まなかったこともあるかもしれません。
アパート建築やマンション建築には、結婚式よりはるかに費用が掛かります。その上、土地活用は1日で完結するものではなく、数十年にわたって利益を上げ、様々な費用を支払い、アパートローンの返済も行うことになります。初めに立てた計画がいい加減だった場合、その影響が何十年も残り続けるのです。

事業収支計画書とは?

img-85-2 賃貸経営を持ちかける営業マンは「事業収支計画書」を用意し、どれだけ利益が上がりやすいかを、不動産オーナーに強調します。しかし、プロの考える収支計画だからと信じ切ってしまってはいけません。逆に、プロだからこそ「一般人はどの点に無頓着で、ごまかされやすいか」を理解した上で、収支計画の数字を操作しているかもしれないのです。
皆さんは、結婚式・披露宴の計画を立てた時、まず費用を見積もり、その費用を自己資金や御祝儀などでどのように賄えるか、という順序で考えたでしょう。しかし、賃貸経営の場面になると「まず、どのくらい利益が上がるのかを考えてしまう」という人もいます。利益を上げるためにアパート経営やマンション経営を行うのですから、そのように考えるのも無理はありません。ただ、初めから利益にばかり注目すると、「たとえ、現時点でばく大な費用がかかったとしても、将来こんなに収益が上がるなら構わない」という気持ちになりがちです。本当にそれだけの利益を見込むことができるのか、なぜ営業マンはそれだけの収益を見込んでいるのかを、冷静に検討する姿勢が大切です。

事業収支計画書のチェックポイント

img-85-3 営業マンの持ち込んだ事業収支計画書の内容を鵜呑みにするのではなく、少なくとも次のような点をチェックしながら読み取るようにしましょう。

事業費の見積りは適正か?

アパート建築やマンション建築には、建築費用がかかることは容易に想像できます。ただ、建築するためには、まず設計をすることが必要ですし、アパートそのものを建てるだけではなく外構の整備を行うことも必要です。
その地域でどのようなアパートやマンションが好まれるのか、調査をプロに依頼するならその費用がかかります。銀行から融資を受けるための費用や不動産取得税、消費税などの税金も馬鹿になりません。
建築費用以外に必要な費用が計上されているかを、必ずチェックしてください。

収入の見込みは甘くないか?

もっとも注意したいのが「家賃収入の見込みが甘くはないか?」という点です。アパート経営やマンション経営を続けていく上で「常に満室」という可能性まずありません。さらに、5年、10年と時間が経過すれば、物件の老朽化が進みますので家賃を下げざるを得なくなります。このような点を勘案して事業収支計画が立てられているかチェックしましょう。

返済計画に無理はないか?

アパートローンの融資を受けるということは、返済を続けなければならないということでもあります。現在は、変動金利のローンのほうが低い金利で借り入れを受けられます。しかし、金利上昇リスクがあることも考慮に入れた返済計画が必要です。

ランニングコストは計上されているか?

アパート経営やマンション経営を続けるためには、建物の維持管理費用がかかります。時には大規模修繕の必要もあるかもしれません。共有部分の清掃や設備の点検などにも費用がかかります。営業マンの持ち込む事業収支計画書にランニングコストが計上されているかを、必ずチェックしましょう。

まとめ:慎重な計画で土地活用・アパート経営を成功させる

賃貸経営は数十年をかけて取り組む大きな事業です。アパート建築やマンション建築がはじまってから計画を変更するのは大変ですが、事前に立てた計画は何度でも変更できます。飛び込みで訪れた営業マンの言葉を鵜呑みにするのではなく、多くの建設会社、設計事務所、その他の業者を比較検討して、納得のいく事業計画を立て、実行してくれるパートナーを見つけることが必要なのです。

金融ライター河野陽炎 プロフィール

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