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アパート経営の法人化って?

ポイント

img-35別な仕事を持ちながら賃貸経営をする方も多いことでしょう。収入は多くなればなるほど税金が増えます。しかし個人と法人では課税税率が異なり、場合によっては「法人化」の方が納める財金が少ない場合があるのです。ではどういった場合に法人化を考えればよいか、見てみましょう。

1. 個人所得と法人所得の税率

img-35-1 所得には所得税がかかります。個人でアパート経営をしている場合、別の仕事の収入と家賃収入を合わせた金額が所得となり、その所得金額に対して所得税がかかってきます。よく1,000万円を超えれば法人化を、といわれることもありますが、もしも家賃収入があっても大部分が経費でてしまい、実質の所得があまりないのであれば慌てて法人化をしなくてもいい場合もあります。またすでに別の仕事で年収が1,000万円を超えている場合は、初めから法人としてアパート経営を始めたほうがいい場合もあります
個人と法人の所得には下記のように税率がかかってきます。

<個人の所得税率と控除額>

(国税庁HPより)

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5パーセント 0円
195万円超330万円以下 10パーセント 97,500円
330万円超695万円以下 20パーセント 427,500円
695万円超900万円以下 23パーセント 636,000円
900万円超1800万円以下 33パーセント 1,536,000円
1,800万円超 40パーセント 2,796,000円

<法人の所得税率>

課税される所得金額 税率
400万円以下 約22パーセント
400万円超800万円以下 約25パーセント
800万円超 約38パーセント

さらに個人経営には所得に対して10パーセントの住民税がかかりますが、法人経営には一律7万円前後の住民税がかかります。家族構成にもよりますが900万円を超えた時点で、個人所得に対して43パーセントの税金(所得税と住民税)がかかることになります。

2. 個人経営と法人経営の違い

img-35-2 個人経営と法人経営の違いとしては大きくは税率です。ほかにも違いがあり、不動産所得において損失がでた場合、別の仕事の所得と合わせても損失がでてしまうときは、その損失を繰り越す期間に差があります。個人は3年間その損失を繰り越すことができ、法人は9年間繰り越すことができるのです。また減価償却費の扱いも違ってきます。個人の場合は決められた減価償却費を全額経費にする必要がありますが、法人の場合は計算式で算出した年間の減価償却費を自由に決定でき、利益を減価償却費により調整することが可能になります。さらに保険料の控除も、個人は控除の上限金額までしか控除できませんが、法人では場合によって全額控除できることがあります。

個人経営の場合 法人経営の場合
所得税と住民税の税率の割合 年収900万円以上で、法人より高くなる 年収900万円以上で、個人より低くなる
不動産所得で損失が出た時 マイナスを3年間繰り越せる マイナスを9年間繰り越せる
減価償却費 決まった金額をすべて経費に計上 年間の減価償却費を自由に設定でき、減価償却費により利益の調整が可能
保険料 決められた限度額しか控除できない 場合によって全額控除できる

3. 所得の分散

img-35-3 個人経営と法人経営では、課税上あるいは相続税対策上、次のような違いもみられます。まず個人では、収入から経費を引いた所得はすべて事業主個人の所得となり、その額すべてが所得税の課税対象となります。一方法人では、社長個人の所得が役員報酬として自由に設定でき、さらにその報酬から給与控除を引いた金額が課税対象となります。また、他の会社に勤務している家族に、兼任ということで役員報酬を支払うことが可能です。報酬を振り分けることで所得金額を小さくすることができ、それぞれにかかる税率も低くなります

img-35-4

法人にすることで相続税も変わる

個人では相続の際に、資産から負債を差し引いての純資産額を計算し相続税を算出します。一方、法人では個人と同じ方法をとる以外に、類似業種比準方式でいずれか低い方を採用できます。これらの方式により評価した株式の価額が課税対象となります。また法人はあくまでも株式の保有割合に応じて相続税が課せられます。

4. 土地を担保にして法人化

建築資金の調達の仕方にはいくつか方法があります。まず資本金1,000万円で不動産会社を設立し、会社が地主の土地を担保に金融機関から3,000万円を借入れします。会社はそのお金を賃貸保証金として地主に差し出します。地主は土地に建物を建て会社に賃貸し、会社は入居者に転貸します。もしもこれが親子であれば、資本金は息子が出資し、地主である父は土地を担保に提供し、連帯債務にすることもできます。その結果、会社は賃貸収入で利益がでても、借入金の返済にあてる経費のほか、地主である父に地代を支払うなどの所得税対策ができます。直接地主が賃貸した場合よりも所得に分散が図られ、またその利益は最終的に持ち主である息子に帰属するので、相続税対策にもなるのです。

<土地を所有し、親子で法人として賃貸経営をする場合・一例>

img-35-5

5. 現金を株式にかえての法人化

img-35-6 自己資金でアパート建築資金はまかなえますが、全額を株式会社の資本金にして建築資金を会社が借り、会社名義のアパートを建築して株主として配当を得る方法もあります。個人事業主を法人組織化して、事業内容はそのままで経営形態を個人から法人へ移行する方法もあります。

まとめ

所得が増えるほど所得税は高くなります。法人化にすることでその税率が減る場合があります。また、所得を分散することでそれぞれの税率が低くなり、節税の効果も生まれます。兼業での賃貸経営であれば、所得を見て法人化を検討することがいいでしょう。せっかくですので、できるだけお得に効率よく賃貸経営をしたいものですね。

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参考文献
「アパート経営のことならこの一冊」山本公喜著 自由国民社刊

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