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有料老人ホームで賃貸経営

年々ニーズが高まる高齢者住宅。ここでは有料老人ホームの賃貸経営について解説します。

はじめに

img-24-1 土地活用には、アパート・マンション経営、駐車場経営、戸建経営、オフィスビルやテナントの賃貸経営など様々な手段がありますが、現在では時代のニーズをつかみ、介護・福祉事業に乗り出すことで社会への貢献をする土地オーナー様が増えつつあることをご存じでしょうか。
高齢者住宅の建設のメリットは、そのニーズの高まりにより空き室率が少ない事や社会貢献への満足度があげられます。しかし、そうはいってもどうやって有料老人ホームの賃貸経営をすればいいのか疑問に思うかと思います。まずは、現在の介護・福祉の現況を知り、実際の有料老人ホームの賃貸経営について記したいと思います。

老老介護の現況とその問題点

img-24-2 2014年2月1日現在の65歳以上の人口は3227万8000人を超え、前年同月から比べると110万6000人と増えており、日本は益々高齢社会へと進んでいます(総務省統計局による)。 「老老介護」などは現代社会における問題の一つとして数年前から取沙汰され、70歳の人が95歳の親の介護をするのもざらにあり、介護疲れにより自殺をする、もしくは介護者を死に至らしめてしまうなど、その問題は年々深刻化しています。 なぜそんな事が起きてしまうのでしょうか。 それは、有料老人ホームの数は年々増加しているにも関わらず、入所定員数は超過し「待ち」の状態になってしまっていることや、家での介護の場合配偶者やその子供が介護をしているのが大半ですから、その配偶者や子供になにかあった時に代役がいないため、共倒れとなってしまうケースが往々にしてあるからなのです。 厚生労働省によると、介護する側と介護される側のどちらもが60歳以上という在宅介護がおよそ6割となっており、老老介護は更に進んでいるという状況です。

有料老人ホームとはなにか

img-24-3 有料老人ホームというと、一昔前は「お金のある人が退職後の元気なうちに、専用のプールや豪華なレストラン、シアタールームなどの設備が整った超高級老人ホームに入所する」イメージがありましたが、現在では介護保険制度発足後、手厚い介護サービスを受けたいという方々が、それなりの入居一時金、月額費用を支払い入所するというパターンが増えてきました。
有料老人ホームは、2006年4月に施行された老人福祉法で今までの規定と大きく改正されることとなりました。それまでは人数要件は10人とされていましたが、現在では9人以下でも有料老人ホームに該当すると定義されています。また、提供サービスの見直しとして、食事提供・介護提供・家事・健康管理のいずれかのサービスを行う施設が対象となります。
さらに入居者保護の充実も改正されました。
帳簿の作成および保存の義務化、重要事項説明書の交付義務化、保全措置の義務化・一時金の算定根拠の明示・改善命令の際の情報公表・契約締結日から90日以内の契約解除の際は、前払い金を返還などが新たに加わり、高齢者住宅に対しての整備がより本格的となりました。
また老人福祉施設・認知症高齢者グループホームなどは有料老人ホームと混同されがちですが、平成18年度の介護保険制度で有料老人ホームの定義から除外されることとなりました。
有料老人ホームは民間企業が運営し、その経営方法は三種類あります。

  • 介護付
  • 住宅型
  • 健康型

入居対象者の年齢はおよそ65歳以上で、自立できる方や要支援、要介護の方まで幅広く受け入れることが出来、空き室があればすぐに入居できることが特徴です。
最近では、核家族の進行に伴いプライバシーをお互い守る傾向があるため、居室へ基本的に個室にし、日々の生活をストレスなく快適に過ごせるよう配慮しています。月額利用料も現在ではより多くの方に入居してもらえるよう、安く抑えられているホームや入居金が0円のところ、医療サービスが充実しているところなど様々な工夫がされています。中には24時間看護師を配置したり、クリニックを設置することで入居者の安全と安心を守るよう努力されている傾向にあります。

有料老人ホームを賃貸経営するにはどうすればいい?

では実際に有料老人ホームを賃貸経営するには、どうすれば良いのでしょうか。
自分で老人ホームを建設する? 老人福祉法などを勉強しなければならない? 事業計画はどうすればいい? など色々と疑問が出てくるかと思います。
実は、不動産会社は土地オーナー様と介護運営会社を結びつける縁結びのような役割をしてくれています。全ての不動産会社がそうしてくれるわけではなく、一つの経営戦略として提案してくれる会社があるということですね。まずはそういった不動産会社を探し相談してみることです。
では、どのように家賃収入を得るかとまた疑問が出てくるかと思いますが、それは介護事業者に建物を賃貸するというやり方が一般的となります。これを「一括賃貸」といいます。

一括賃貸のメリットは、なんといっても借り手が見つかれば稼働率は100%となることです。土地・建物の一括借り上げでの契約は長期にわたり、20年以上とされているので
安定した収入が見込めます。しかし、反対をいうと介護運営会社が撤退してしまうと忽ち稼働率は0%となり、デメリットは相当な大きさとなります。そうなった場合の細かい契約の取り決めもあります。
有料老人ホームを開設するには、老人福祉法第29条の事前相談を、建設する都道府県にする必要があります。それが受理された上で初めて着工や入居者募集ができるようになります。建築基準法、衛生法、消防法など様々な観点について、自治体の基準をクリアしなければ開設できないので自治体への確認を怠らず、慎重に進めなければなりません。

有料老人ホームの賃貸経営は立地や景気に左右されにくく、安定しているメリットがあります。しかしまずは、自分がどういう運営をしていきたいのか、その目的をはっきりさせることです。最初にブレが生じると、そのブレはどんどん大きくなり取り返しのつかないことになってしまいます。運営方針や、その地域の特色や需要を考えた上で、業務形態やどれぐらいの収益力が見込めるかを相談し、健全で着実な事業計画をたてることが鍵となります。

終わりに

img-24-4 オーナーは「介護運営会社も決まったし、入居者も入った。一括借り上げ制度で収入も安定しているから安心だ」などと、その後のケアを何もせず介護運営会社に全てを任せきりにするわけにはいきません。定期的に介護運営会社と連絡を取り、現在の状況を把握したり、経営がうまくいっているかなどチェックする必要があります。
一括借り上げ制度は、長期的に契約をするメリットはありますが、仮に空き室状況が続くと家賃設定を下げてくれといった要望も出てきます。そういったことも踏まえた上で、長期の計画を立て、有料老人ホームの賃貸経営を行いましょう。

参考文献
『改定版よくわかる高専賃 高齢者住宅叢書Ⅱ』 発行人松井直樹 株式会社ヒューマン・ヘルスケア・システム 2,009年10月20日第1刷発行
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