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自己資金がないと賃貸経営はできない?

賃貸経営を始めるためにかかる費用を理解して、自己資金やローンなどによる資金の計画を算出します。

物件代金以外にも費用がかかる?

img-29-1 マイホームの購入では、頭金として最低でも代金の1~2割を自己資金で用意するようにとよく言われていますが、賃貸経営においてそれは必ずしも当てはまりません。なぜなら賃貸経営は事業であり、入居者から徴収した家賃収入からローンの返済をしていくためです。家賃収入とローンの返済のバランスさえとれていれば、全額ローン(フルローン)で始めることも可能ではあります。ただし物件の契約をする際に「手付金」が必要になります。手付金は購入金額の数パーセントから1割程度を支払いますが、ローンを組む前に前もって自己資金で支払う必要があります。そのほか、物件代金以外の諸経費を自己資金で支払わなければなりません

主な諸経費

諸経費の割合は、一般的に物件価格の約7パーセントが目安といわれています。マンションの一室経営などの区分所有や小さい物件ほど、この割合は高くなる傾向にあります。ではどういった諸経費がかかるのか挙げてみます。物件の規模や個人の属性によっては、諸経費も金融機関から借り入れできる(オーバーローン)場合もあります。金融機関に相談をしてみましょう。

<主な諸経費>
項目 どんなもの? 金額の目安
印紙税 売買契約書、ローン契約書などに収入印紙を貼って納める税金 (不動産売買契約の場合における、契約書の記載金額に対応する税額)

100万円超500万円以下:2,000円
500万円超1,000万円以下:10,000円
1,000万円超5,000万円以下:15,000円
5,000万円超1億円以下:45,000円
登録免許税 登記手続きの際にかかる税金 (中古マンションの場合・所有権の移転登記)
建物の評価額×0.3パーセント
土地の評価額×1パーセント
不動産取得税 土地、建物を取得した際にかかる地方税 (中古マンションの場合・軽減措置あり)
建物の評価額×3パーセント
土地の評価額×3パーセント
仲介手数料 仲介会社を通して買う場合の手数料 (物件400万円以上の場合)
物件価格×3パーセント+6万円(消費税別)
ローン手数料 ローンを借りる際の手数料 金融機関によって異なる
ローン保証料 保証人を立てる代わりに保証会社を利用する費用 保証会社によって異なる。
火災保険料 ローンを借りる際、建物にかける火災保険の費用 建物の構造などにより異なる。

自己資金はいくら必要?

img-29-2 フルローンを利用できるならば、1,000万円の中古マンションを買うにはその7パーセントの70万円があれば賃貸経営を始められるということになります。ただしフルローンの場合は、表面利回りは10パーセント以上ないとリスクが高くなります。特にマンションの区分所有であると、金融機関の審査も厳しくなるようです。一般的には物件価格の7割~9割を貸し付けてくれる銀行が多いようです。そうなると必要な自己資金は物件価格の1割~3割となります

<必要な自己資金の目安>(物件金額の9割を借入する場合)
物件価格 自己資金(1割) 諸経費(7パーセント) 合計
1,000万円 100万 70万円 170万円
5,000万円 500万 350万円 850万円
1億円 1,000万 700万円 1,700万円
2億円 2,000万 1,400万円 3,400万円

いいローン、悪いローン

img-29-3 あまり大きな買い物をしない限り、ローンを組んだりするということは経験がないかもしれません。なんとなく危険なイメージがあるローンですが、賃貸経営はマイホームの購入とは違い家賃収入という新しいお金を生んでくれるものです。金利をきちんと計算し、キャッシュフローが黒字になるようにローンを組んでいれば、さほど心配する必要はありません。ではローンを組む場合、必ず確認しておきたいポイントを見てみます。

借入額

借入額を決める場合は、毎月いくらまでなら確実に返済できるか、ということを見る必要があります。これは家賃収入などによっても変わります。利回りがいい物件であれば、借入金が大きくなっても大丈夫ということになります。金融機関によっては、物件の収益力によって担保価値を判断してくれるところもあるようです。

金利

ローンの金利には大きく分けて「固定型」と「変動型」があります。固定型は毎月の返済額が変わりません。変動型は金利上昇分だけ毎月の利払いコストが上昇してキャッシュフローが赤字に変わる危険があるので注意が必要です。

固定型とは? 借りた当初の金利がそのまま設定した期間まで続く。(1年、3年、5年、7年、10年固定など)
その間は返済額も一定。返済期間が長い方が金利も高くなる。
変動型とは? 市場の金利の動きに合わせて、適用金利を見直す。(年2回の見直し)
毎月の返済額は5年間一定、その中で利息分と元金分の割合が変化する。
5年経過後の元金の残高に応じて、次の5年間の毎月の返済額を決める。

返済期間

ローンの返済期間によってそれぞれ利点が変わってきます。金利の種類によっても変わります。さまざまなパターンで検討するほうがいいでしょう。

長く借りると? 毎月の返済額は少ない。
キャッシュフローが黒字になりやすい。
元金はなかなか減らない。
トータルの利息の支払額は多くなる。
短く借りると? 毎月の返済額は多い。
キャッシュフローが赤字になりやすい。
元金は早く減る。
トータルの利息の支払額は少ない。

返済方法

ローンの返済は大きく分けて、「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。多くの金融機関は「元利均等返済」を原則にしており、「元金均等返済」のローン商品は少ないようです。

元利均等返済 元金分と利息分を合わせた毎月の返済額が一定。
返済当初は利息分のほうが多く、次第に元金分が増えていく。
元金均等返済 毎月の元金分が一定で、そこに利息分を合計して返済。
毎月の返済額は次第に減っていき、元金の減りも早い。

「元利均等返済」のほうが、早くに元金が減り、買い替えや資産の組替を検討している人には有効のようです。ただし、返済当初は返済額が大きくなってしまいますので、資金にある程度余裕がある人に向いているようです。

まとめ

さほど大きな物件でなければ手ごろな自己資金で賃貸経営を始めることが可能です。トータルで見れば大きなローンを組むこととなりますが、賃貸経営は「家賃収入」があります。その収入で返済というキャッシュフローさえきちんとつかんでいれば、問題なく事業は回っていきます。自身のできる範囲でまずは賃貸経営を始めてみましょう。

参考文献
「逢坂ユリのまるわかり不動産投資」 逢坂ユリ著 主婦と生活社刊
「大家さん税理士が教える 不動産投資 お金の残し方見極め法」 叶温著 ぱる出版刊
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