賃貸経営の基礎知識

自己資金ってどのくらい必要なのか

賃貸経営を始めるのにはどのくらい自己資金が必要になるのでしょうか?
ここでは土地の有無や平米数、地域差などの視点から賃貸経営に必要な自己資金について考えます。

賃貸経営ってお金持ちがすることじゃないの?

img-101-1 一般的に物件価格の10~20%ほどは必要だといわれている自己資金。しかし、自己資金ゼロでも賃貸経営はできるのか。そういった疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。
賃貸経営するといっても先立つものがなければ始まらないのは、皆さんわかっていらっしゃるかもしれません。「賃貸経営なんて、夢のまた夢。そもそもお金持ちがすることでしょ」なんて思う方も多々いらっしゃるかと思いますが、このページでは、一番気になるお金のことについてお話します。

あなたはどうして賃貸経営をしたいと思ったのでしょうか?
・土地があって、なんとか有効活用したいから
・定期的な家賃収入が欲しいから

などなど、そういった理由が挙げられると思います。では、第一に土地がある、なしでは自分で用意するお金がどれぐらい必要なのかについて見ていきます。

土地を持っている、持っていないで不動産業者の印象が変わる?

「親の代からの土地が余っている」「すでに土地は購入した」「いやいや、土地を手に入れるのはこれからだ」といった人達が、建物を建てて入居者を集めて賃貸経営する……そういった場合、どれぐらいの自己資金が必要になってくるのでしょうか。
実は土地がある、ないでは不動産業者とパートナーを結ぶ時の印象が変わってきますし、融資が受けづらい(融資が受けやすい、受けにくいは不動産業者によって変わってくるため)などが出てきます。土地がある場合は、簡単に言えば建物を建てる、駐車場を作るだけで済みますが、土地がない場合、まずは土地探しから始まりますので、不動産業者としてはどうしても敬遠しがちなようです。
しかし、最近では「頭金ゼロ・土地なしからでも始めるアパート経営・マンション経営」を謳っている不動産業者も多くあります。他に安定した収入があれば、アパートローンを申し込むことで融資を受け、アパート経営を始める方もいらっしゃいます。しかし、その場合、融資を受けるということは結局負債を抱えるということをきちんと把握しておかなければなりません。
土地をすでに持っている場合、等価交換方式や定期借地権方式なども考えられるでしょう。

等価交換方式→持っている土地にデベロッパーが建物を建築。土地の価格と建築費の割合を計算した上でそれぞれ区分所有すること。地主は、自分の持ち分にたいして賃貸や、自分が住むことなどができますが、土地の一部の所有権は失うことになります。
また、デメリットとして不動産譲渡所得にたいして、税金がかかるため、これを回避しようとすると家賃収入にかかる所得税が高くなることがあげられます。


定期借地権方式→地主が一定期間、業者に土地を貸し出し、業者はマンションなどを建て管理運営を行う。地主は経営には関わることなく地代を受け取る。契約期間が満了になると、業者は土地を返却する。借地権を設定すると補償金を受け取ることができるが、土地の評価額は下がる。これにより固定資産税や相続税が軽減される。

駐車場経営の場合→専門業者と契約すると、初期費用は業者が負担してくれるため自己資金は必要ない。しかし、税制上のメリットは受けられない。

建築コストや賃貸経営プランは「イエカレ」より無料にて問い合わせることが可能ですので、ぜひ利用してみてください。

平米数によっても自己資金は変わるか

実は賃貸経営をする方のほとんどは、自己資金ではなく銀行から融資を受けて行うパターンがほとんどです。
専有面積が30平米以上ある区分所有マンションの場合、住宅ローンがつきます。物件を収益還元評価により安く購入し、空き室になったら相場を見極めて売却するという投資手法もとられています。

地域別での自己資金について

地域によって自己資金額は変わるのかといった疑問を持つかと思います。
当たり前ですが、都内で土地を購入し建物を建て、賃貸経営をするのと、地方で土地を購入し賃貸経営するのでは、最初の投資額が当然変わってきますね。坪単価が地域によって違うからです。
「それであれば地方で、アパートなりマンション経営をしたほうが得なのではないか」と思うかもしれませんが、近年における人口推移を見てみると、東京に人口が増えていることが分かります。

都道府県別人口と人口増減率

都道府県 国勢調査人口 平成24年推計人口
平成17年
(1,000人)
22年
(1,000人)
    人口増減率
(平成17~22年)(%)
総人口
(1,000人)
人口性比
(女性100に対する男性)
人口増減率(対前年)
(人口1,000につき)
人口集中地区 1) 人口密度
(人/km2) 2)
全国 127,768 128,057 86,121 a)343.4 0.2 127,515 94.7 -2.2
北海道 5,628 5,506 4,077 70.2 -2.2 5,460 89.3 -4.7
茨城 2,975 2,970 1,107 487.2 -0.2 2,943 99.4 -4.8
栃木 2,017 2,008 888 313.3 -0.4 1,992 98.7 -4.1
群馬 2,024 2,008 802 315.6 -0.8 1,992 96.9 -4.2
埼玉 7,054 7,195 5,730 1,894.2 2.0 7,212 100.3 0.7
千葉 6,056 6,216 4,529 1,205.5 2.6 6,195 99.1 -3.2
東京 12,577 13,159 12,917 6,015.7 4.6 13,230 97.6 2.5
神奈川 8,792 9,048 8,522 3,745.4 2.9 9,067 100.4 1.0
愛知 7,255 7,411 5,693 1,434.8 2.2 7,427 99.8 1.5
京都 2,648 2,636 2,187 571.4 -0.4 2,625 92.1 -2.5
大阪 8,817 8,865 8,492 4,669.7 0.5 8,856 93.3 -0.6
兵庫 5,591 5,588 4,281 665.6 -0.0 5,571 91.6 -2.0
沖縄 1,362 1,393 931 611.9 2.3 1,409 96.3 5.6

「国勢調査」「人口推計」(10月1日現在)による。
1) 人口密度の高い基本単位区(人口密度が1km2当たり約4,000人以上)が市区町村の境域内で互いに隣接して,国勢調査時に人口5,000人以上を有する地域。
2) 算出に用いた面積は,全国都道府県市区町村別面積調による。また,境界未定地域については,総務省統計局において面積を推定。
a) 歯舞群島,色丹島,国後島,択捉島及び竹島を除き算出。

資料 総務省統計局統計調査部国勢統計課「国勢調査報告」 「人口推計年報」

総務省統計局より抜粋)

img-101-2 総務省統計局より、「都道府県別人口と人口増減率」の一部抜粋ですが、こちらの表を見てみると、人口増減率(平成17年~22年)は他地域はマイナス、もしくは2パーセント前後ですが、東京は4.6%と増えており、人口が東京に集中していることがわかります。この原因としてあげられるのは、大学の東京集中と単身者の増加です。近年問題となっている大学廃校問題ですが、昔は緑豊かな環境で勉学を希望する学生に向けて地方でのキャンパス建築がされていました。しかし、現在では地方よりも都内でのキャンパスライフを送りたいという学生が増え、それにより地方で作られたキャンパスに学生が集まらなくなったことで、廃校に追いやられているという背景があります。単身者にしても、離婚率の増加、晩婚化により単身者が増え、東京で働き口を探すなどといった理由で、人口が東京に集中するようになりました。 よって、人口減少の目立つ地方でアパート経営やマンション経営をしたとしても、需要がありませんから、利回りだけ見て経営しようとすると失敗してしまう恐れがあります。

まとめ

img-101-3 自己資金はあればあるほど良いのではないかと思われがちですが、レバレッジ効果で考えると自己資金が少ない、もしくはゼロのほうが大きく、逆に自己資金が多いとレバレッジ効果は小さくなります。
また、現時点での積算評価より、その物件が将来生み出す収益を予想し、そこから現在価値に割引いて評価する「収益還元法」というものがありますが、これによる銀行融資はレバレッジ効果を高めるうえで、非常に有利に働きます。もし、銀行が決める収益価格よりも安い価格の物件を取得することができれば、レバレッジにより資産を大きく伸ばせるからです。

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