賃貸経営の基礎知識

賃貸経営の収益について

賃貸経営を始めるには収支計画を立て、収益を計算します。
ここでは建築費用だけでなくランニングコストなども併せて賃貸経営の収益を考えます。

賃貸経営の収益はどうやって得るの?

img-100-1 賃貸経営というと、アパート経営やマンション経営、事務所や企業に貸し出すものなど様々なパターンがありますが、どれも大きな要素としていえるのは家賃収入で収益を得るということです。入居者が入っている限り安定した家賃収入が毎月入ってくるので、老後の私的年金としても活用することができます。また、賃貸経営は不動産会社や専門の管理会社などに任せておけば、それほど手を煩わせることもなく収益を得ることができるのです。

収益で気をつけなければならないこと

img-100-2 しかし、収益で気をつけなければならないことは「収益率」「収益額」と二種類の収益という考え方があるということです。
収益率とは、投資した元手に対して何%の収入が見込まれるかということで、収益額とは、投資した元手がいくらぐらいの収入を生み出すかという考え方です。賃貸経営するには今持っている土地、もしくはこれから購入する土地にアパートなりマンションなりを建築すると思いますが、その建築費にいくらかけ、どれぐらいの入居を募集するかによって収益が変わってきます。
例えば、収益率で建築費を5000万円、家賃収入を750万円とした場合ですが表面利回りは15パーセント(家賃収入750万円÷建築費5000万円)ですね。収益額の場合は建築費1億円かけ家賃収入を1000万円とすると、表面利回りは10パーセント(家賃収入1000万円÷建築費1億円)となります。この収益率と収益額での1年間の差は250万円となりますが、表面利回りが高いほうが、低いほうより安全性は高く元手を早く回収できる利点があります。しかし、収益額のほうでは、表面利回りは低いですが収益率よりも多くの収入額を得る利点があります。
少し難しい話になってしまいましたが、収益を「何に」「どう使いたいか」によって、収益率、収益額、そして利回りの判断が変わってくるのです。

これから賃貸経営をしようと思っている方は、たくさんの夢を持っていらっしゃるでしょう。
「ゆとりある生活がしたい」
「私的年金を作りたい」
「節税対策がしたい」etc……
賃貸経営を利用する資産と考えて、賃貸経営で得た収入を何に、いくら使いたいのかをイメージすることから始めましょう。また経営にはリスクがつきものです。どれぐらいのリスクなら許容範囲なのか、事業方法はどうするかなどといった投資戦略をたててみてください。明確なビジョンをたてることが賃貸経営の成功への第一歩です。

(例)いくら欲しいのか

  • 月額5万円~→生命保険の見直しや、庭の一部を駐車場にする
  • 月額20万円→自宅の一階や二階部分に賃貸のための部屋を作り、住宅ローン返済にあてる
  • とにかく儲けたい→収益額が増えるほど、リスクも大きくなることを念頭に
  • こだわりなく安全を最優先に→ゆとり目的や相続設計向き

収益に対する考え方

賃貸経営するからには多少は儲けたいと思うのが人間の常ですが、建物にこだわればこだわるほど建築費用はかさみます。そして、こだわったからといって入居者が殺到するかというとそうでもありません。床暖房、有線の入った部屋やオシャレな内装、輸入品などは確かに入居者のウケはいいでしょう。しかし、だからといって家賃を大幅にあげてしまうと入居者は「だったら、他の場所でもっと安いところに入居しよう」と逃げてしまう可能性があります。投資するならばあくまで収益に反映できるような投資をすることが必要です。

収益に反映する投資とは、例えば

  • バス・トイレ別
  • オートロック
  • 室内洗濯機

などがあげられます。逆に反映しにくいものは

  • こだわりの強いキッチン
  • 高級なフローリング素材
  • 床暖房や有線が入った部屋

などです。

ランニングコストも念頭に入れよう

img-100-3 賃貸経営は、建物を建てて入居者を募集して家賃収入を手に入れてハイ終わり、というわけではありません。人が入って使うということは、壁紙が汚れたり外壁が傷ついたり、エアコンが壊れる、屋根の修繕など、維持費というものが当然かかってきます。最初にかける投資総額が、その後の収益に直接結び付くのです。
初期投資額は高いがランニングコストが低い場合は、建築費を回収する期間が長くなり、また時間の経過とともに家賃設定を下げなければならないリスクはあります。しかしこまめに修繕をしなくても良い、手間はそれほどかからない予想がつきます。反対に初期投資額は低いがランニングコストが高い場合、建築費の回収に対してはリスクは低く安全性が高いといえますが、修繕費がその都度かかってきてしまいます。その際、あまりに修繕費にお金をかけないと建物自体が安っぽく古臭くも見えてしまい、その後の入居者の入居率に影響が出るでしょう。
どちらが良いとは一概には言えませんが、その建物のある町の周辺状況や、賃貸市場の状況などを参考にして決定する必要があります。

まとめ

img-100-4 いかがでしたでしょうか。
実際賃貸経営を始めるには、「事業収支計画表」を作成し、収支計画をたて将来の経営状況まで予測していきます。しかし10年から20年、30年と予測し見通しをたてるのは容易ではありませんね。特に賃貸経営を始める際に、周辺に競合物件が乱立している、もしくは今後新たに賃貸物件が建つ予定がある場合などは、なかなか計画通りに進まないかもしれません。
もちろん、リスクがないにこしたことはありませんが、経営事業というのは何に対してもリスクがつきものです。そのリスクを最小限に抑え、常に現状を把握することで賃貸経営を軌道に乗せることができます。
また、不動産事業にはセンスが重要といわれています。
不動産について今まで興味もなかった、関心がなかったけれど「賃貸経営で収入を得たいから急いで勉強しよう」と急に思い立った人が、難しい計算式を使って利回りや今後の予測を割り出したとしても、不動産のセンスというのはなかなか養えないものです。不動産事業は立地状況や周辺状況、業態の種類などトータルに考えなければなりません。賃貸経営を始める前に、まずは基礎的なことを頭に入れ、少しずつセンスを磨いていきましょう。そうすることで、賃貸経営の今後のビジョンが見えてくるかと思います。また、ここで賃貸経営の収益についてざっくりと述べましたが、詳しくは収支計画の立て方を参考にしてみてください。

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