賃貸経営の準備

収支計画の立て方

賃貸経営を始める前に収支計画を立てましょう。
まずはどういったお金の出入りがあるのかを想定します。
事業予算の調達や建設費、維持管理費など確認します。

収支計画表を作ってみよう

img-21-1 賃貸経営をはじめるにあたり、実際どういったお金の動きがあるのかを把握しておかなくてはなりません。そのためにまずは収支計画を立てることが大切です。実際徴収する家賃を想定し、おおまかな事業予算、自己資金や借入金などをすべて書き出し、どれくらいの収支で実際手元に残る金額を推定します。
また今後10年間の収支の予測もしておけばより安心です。

家賃、礼金、敷金を決める

家賃、礼金、敷金を決める際には、近隣相場をリサーチして相場よりあまりかけ離れていない金額を設定します。高い家賃設定でいい手取りを計算することは簡単ですが、机上の空論では困ります。相場より少し低めで設定するくらいの慎重さがあってもいいかもしれません。また家賃収入は、建物の借入返済をし、管理会社への管理費などを払っても手元に家賃の半分くらい残るのが理想の収支といわれています。収支計画は基本的に満室を想定して立てることになります。半分くらいが手元に残るように計算しておけば、たとえ空室が数カ月続いても、返済にそれほど困ることなく経営ができるからです。

事業予算の確認

事業予算の確認をします。建物から建設するのであれば、その建築費本体とその他工事費を確認します。すでに建設業者へ見積もりなどを依頼してあれば、見積もり金額を記載します。物件を購入するのであれば、その購入金額となります。
工事費のほか、手数料、抵当権設定費用、契約書の印紙税など諸経費も伴います。はっきりした金額が分からなければ、建物本体価額の4パーセントを計上するといいでしょう。

自己資金、借入金

自己資金、借入金は収支計画の基本となります。また借入金がある場合はその条件も一緒に確認します。

計画書の一例

収支計画書の書き方の一例です。詳細は専門家に相談や確認をするようにしましょう。

(建物から建築した場合)

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安定経営をめざすには

img-21-2 年間の家賃や駐車場などの総収入から、その物件の維持管理に必要な諸経費を差し引いた金額を、建物の建設事業費すべての投資額で割って算出した割合を「実質利回り」といいます。算出される数字が高ければ利回りがいいということになります。ただしここには借入金の返済額は含まれていないため、実際の収支とは異なります。賃貸経営を始めるにあたり、適正な投資額を判断するためのひとつとして計算することは必要かもしれませんが、これだけで安心してはいけません。必ず払う必要のある、返済金額、管理費、水道高熱費、修繕費、固定資産税、損害保険などの毎月の平均的な支出額を計算し、それが収入に対してどのくらいの割合になるのかを算出する必要があります。

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土地、建物には税金がかかります

固定資産税は、1月1日現在の所有している土地や建物に対して課税されます。初年度は0円となりますが、2年目から3年間は評価額に対し新築住宅の特例により税率1.4パーセントの半分を計上し、5年目からは通常の計算となります。土地については、住宅用地の特例が一室当たり200平米以下の部分は税額が6分の1となりますが、評価額の見直しなどがあるので注意が必要です。

都市計画税とは?

地域によっては「都市計画税」が課税される場合もあります。都市計画税とは、都市計画区域内に土地や家屋がある場合に適用となります。税率は0.3パーセントなので、固定資産税の評価額に乗じて支払います。償却資産は対象外となりますので、事前に対象かどうかを確認しましょう。

修繕費はどれくらい?

建物はどんなに綺麗に使用していても、経年劣化は免れません。満室を維持するためにも、劣化してきた場所の修繕、または設備の修繕は必ず必要となってきます。実際その状況になってみないと修繕費がどれくらい必要なのかはわかりませんが、だいたい竣工の3年度目から、建築工事費に対し1パーセント、次年度以降は10パーセントくらいの金額を見るといいでしょう。

礼金と敷金は必要?

fig-21-3 最近の賃貸物件において、礼金、敷金ゼロ物件というのも少なくありません。また地域によってその呼び名や性質も異なります。
まず礼金とは、入居者が家主に謝礼的な意味で支払うものです。特に法律で絶対に必要というものではなく、その地域での需給関係によるところが多いのです。相場としては家賃の1カ月~2カ月分を徴収することが多いようです。礼金は退去時に返済はせず、税法上は収入として計上します
逆に敷金は家賃の滞納、不払いがあったときの充当金、その他債務を担保するためのお金で、保証的な性質をもっています。賃貸借契約が終了する場合には、入居者に債務の未払いがない限り返金しなくてはなりません。また、賃貸経営においては、税法上収入とはみなされません
一般的に、退去時の原状回復の費用は敷金から引くことが多いようです。設備も充実した物件ですと、それだけ原状回復をするにもお金がかかります。礼金を少なめにして敷金を多くするほうがいいといわれています。

まとめ

賃貸経営をするならやはり黒字になることを目指したいところです。そのためには慎重に事業企画や収支計画を立て、無理のない賃貸経営をしなくてはなりません。お金の流れは一番の肝です。納得のいく賃貸経営ができるよう、専門家の意見も聞きながらベストなプランを立てることが大切ですね。

参考文献
「アパート・マンションの作り方」曽根恵子著 週刊住宅新聞社刊
「アパート経営のことならこの1冊」山本公喜著 自由国民社刊
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