相続税改定特集

様々な軽減方法

小規模宅地等に相続税の軽減があります。適用要件を確認し節税対策を考えます。

相続税の小規模宅地等に軽減がある

小規模宅地等……字だけ見れば「小さい規模の宅地等」だということはわかりますが、具体的にどういったものを小規模宅地等というのでしょうか。
国税庁HPには「個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分」とあります。
簡単に言うと、例えば親から相続した家や土地(それが事業用であっても住む専用であっても)のうちの限度面積までの部分のことを小規模宅地等といいますよ、ということです。

では限度面積って具体的になんでしょうか。

まず、一口に土地を相続したといっても事業用か居住用かで分けられます。先ほどの例でいうと、親から相続される直前、その土地がどういうふうに使われていたかによって二つの利用区分に分けられます。

①被相続人が事業をしていた宅地
②被相続人が住んでいる(住んでいた)宅地

親から相続したという例をとれば、被相続人はあなたになります。

更に詳しく見ていくと
①被相続人が事業をしていた宅地
ア貸付事業用以外の宅地‐特定事業用宅地
イ貸付事業用の宅地で一定の法人に貸し付けられ、その法人の事業用、特定同族会社事業用宅地
ウ              〃      、その法人の事業用、貸付事業用宅地
エ              〃      、その法人の貸付事業用の宅地
オ              〃      、被相続人等の貸付事業宅地

②被相続人が住んでいる(住んでいた)宅地
カ特定居住用等に該当する宅地

こうやって見てみると、土地といってもア~カのようにいろんな利用パターンがあるのがわかりますね。このア~カにはもちろん面積があるわけですが、その面積の割合によって減額される割合が決まってきます。

限度面積 減額される割合
400m2 80%
400m2 80%
200m2 50%
200m2 50%
200m2 50%
240m2 80%

カの場合、居住用と考えればいいわけですから簡単に覚えられますが、ア~オは事業用で細分化されてますので、自分の持っている宅地がどれに当てはまるのか気をつけなければなりません。
また、 「限度面積」については、アの「特定事業用宅地等」、イの「特定同族会社事業用宅地等」、カの「特定居住用宅地等」、ウ~オの「貸付事業用宅地等」のうちの、いずれか2つ以上について、特例を受けたい場合ですが、次の算式を満たす面積がそれぞれの宅地等の限度面積になります。

A+(B×5/3)+(C×2)≦400
A:「特定事業用宅地等」、「特定同族会社事業用宅地等」の面積の合計(①+②)
B:「特定居住用宅地等」の面積の合計(⑥)
C:「貸付事業用宅地等」の面積の合計(③+④+⑤)

(国税庁HPより)

まだまだある適用要件

img-118-2 上の表で計算するのにいっぱいいっぱいかもしれませんが、実はこの特例に当てはまるのにまだ適用要件があります。ちょっとここまででうんざりかもしれませんが、もう一息です。では、見ていきましょう。

「ア特定事業用宅地等」の適用要件
・被相続人の事業で使っていた宅地等
  事業承継要件‐事業が相続税の申告期限までに引き継がれ、申告期限までに事業を営んでいること
保有継続要件‐相続税の申告期限まで、その宅地等を持っていること

・被相続人と生計を一にしていた親族の事業で使っていた宅地等
  事業継続要件‐相続開始の直前から申告期限まで、事業を行っていること
  保有継続要件‐相続税の申告期限まで、その宅地等を持っていること

「イ特定同族会社事業用宅地」の適用要件
法人役員要件‐相続税の申告期限に、その法人の役員であること
保有継続要件‐相続税の申告期限まで、その宅地等を持っていること

「カ特定居住用宅地」の適用要件
今度は、アやイのように「要件」で分けるのではなく、その土地が「A被相続人の居住に使われていた」のか、もしくは「B被相続人と生計を一にしている親族が居住に使っていた」のかで分け、更にその土地の取得者によって適用要件が変わってきます。

Aの場合
・被相続人の配偶者‐要件はなし
・被相続人と同居していた親族‐相続開始から申告期限までその家に住み、かつその宅地等を相続税の申告期限まできちんと持っている人
・被相続人と同居していない親族
注:①か②に該当し、かつ③~⑤を満たす人が対象
 ①被相続人に配偶者がいないこと
 ②相続開始直前において、一緒に住んでいた親族の中に相続人がいないこと
 ③相続開始前の3年以内に、自己所有か配偶者所有の家(日本国内)に住んだことがないこと
 ④相続税の申告期限まで、その宅地等を持っていること
 ⑤相続開始時に日本国内に住所がある、もしくは日本国籍があること

Bの場合
 ・被相続人の配偶者‐要件はなし
 ・相続開始直前から申告期限までその家に住み、かつ、その宅地等を申告期限まで持っていること


細かく見ていきましたが、ここで重要なのはざっくり言うと、とにかく相続税の申告期限までその宅地を持っているかということを繰り返し適用要件としてあがっていますね。いっぺんに見ると、さっぱりわけがわからないという事態になってしまいますが、順を追って頭を整理してみていきましょう。
ちなみにですが、この特例を受ける手続きは、相続税を申告する際申告書に「小規模宅地等の特例」を受けたいという旨を記載し、小規模宅地等に係る計算の明細書、遺産分割協議書の写しなど、きまられた書類を添付し申告手続きをとりましょう。

今さら聞けない事こそ、とても重要な事案です!

img-118-3 不動産投資セミナーなんかにいくと、講師の方がさも当然かのように「小規模宅地の特例を使ってうんぬんかんぬん~」とおっしゃりますが、「小規模宅地の特例って?」と思っても次々と話が変わってしまい、結局聞けずじまい……。みな静かに聞いているから、すごく初歩的なことなんじゃないかと聞かないままでいると、ずっとわからないままです。よく学校の授業でみな静かに聞いているけど、後で聞いてみたら実はみんな分かっていなかったなんてことはよくあることです。
「今さら聞けない」と思っていることこそが、不動産投資をするうえでとても重要な事案です。多額の投資をするからこそ絶対に失敗できない不動産投資。最初につまずかないように積極的に知ることが、成功への鍵になるでしょう。

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