駐車場経営を始める前に

駐車場経営の仕組み

はじめに

2006年6月1日に改正道路交通法が施行され、大きなニュースとなったことは覚えていらっしゃいますでしょうか。それまで放置違法駐車についてあまり厳しく取り締まられていませんでしたが、この改正道路交通法により民間の駐車監視員が入り、放置違法駐車を取り締まることになりました。違法駐車している運転者に対して反則金の請求や、悪質な常習違反者に対しては車両の使用制限、放置違反金滞納者に対して車検を受けようとすると拒否をするなどの厳罰な処分を下す法です。
これにより、違法駐車した運転手が罰則を受けたくないがために、また民間の駐車監視員に反発し暴行を働くなどの事件が勃発し、一時ニュースで取り上げられましたね。
なぜ彼らは反発したのでしょう。
それは、周辺に駐車場がない、もしくはあっても常に満車状態で停めることができず、やむなく路駐をしたという言い分です。特に営業車はこの改正道路交通法対策に懸念し、なるべく電車を使ったり人を一人増やし車中に残すことで無人の路駐にならないようにするなどの対策をしましたが、人件費の問題や活動力の低下など問題を抱えることとなりました。
現在は、改正道路交通法の導入当時と比べ大きな問題として取り上げられることも少なくなりましたが、駐車場の需要はまだまだ必要とされています。

駐車場経営の仕組み

img-97-1 改正道路交通法により駐車場の需要が高まっていると述べましたが、他にも住宅街や駐車場のない古いマンション、商店街周辺などにもその需要はあります。駐車場経営は専門家でなくても取り組めるメリットがありますが、ここでは駐車場経営を始めるにあたっての一連の流れについて述べたいと思います。
駐車場経営の仕組みですが、経営するには赤字にならないように安定した収入がほしいと思うのは誰でも同じですね。駐車場経営するにあたってどういう流れで、どういった種類があるのか知っていきましょう。

開業までのフローチャート

  • 相談
  • 市場調査
  • 提案
  • 契約
  • 施工
  • 募集・開業
  • 運営

「駐車場経営がしたい」と思い立った時、まずは家族の人や周りの人に相談するかと思います。すでに駐車場経営をしている人にアドバイスをもらったりする人もいるでしょう。近くにそういった方がいればかなりの助けとなりますが、いない場合は自分で勉強する、コンサルタント会社などを利用する、一括借り上げ方式で運営会社を頼るなどあるかと思います。自分で勉強し企画立案から設備の用意、経営をするとなるとかなりの専門知識や資金が必要です。また成功すれば利益は大きいですが、リスクも背負います。一般的に多いのが一括借り上げ方式で、駐車場運営会社などに土地を貸し運営を任せ、オーナーは賃料を得る方式です。この場合、利益は少なくなりますがもっともリスクの低い方式となります。
他にも
・「経営サポート方式」‐コンサルタント会社から駐車場経営におけるすべてのプランニングをアドバイスしてもらう
・「管理受託方式」‐コンサルタント会社、駐車場運営会社を利用して、プランニングから開業管理などを一括して委託する
・「共同経営方式」‐不動産会社、建設会社、コンサルタント会社、駐車場運営会社などと共同で経営を行う
とあります。

駐車場には様々なタイプがある

駐車場経営するには、市場調査も必要ですが自分の持っている土地がどういった駐車場に適しているか知る必要があります。駐車場と一口にいっても様々な形式があります。以下は駐車場のタイプ別分類を表したものです。

自走式 機械式
①立体式(建物式・プレハブ式) A 循環方式(水平循環方式・多層循環方式・垂直循環方式)
B エレベーター方式(自動車用エレベーター・スライド式・エレベーター式)
②平面式 C 多段方式(多段方式・二段方式)
D 平面往復方式

自走式とは、駐車場に入り自分の駐車スペースまで運転して駐車する方式です。機械式とは、車を機械に乗せて、機械が所定の駐車スペースまで運んで駐車する方式です。自走式は自分で運転して停めるため面倒な機械操作はなく、利用者にとって便利ですがその分広い敷地が必要であること、機械式より駐車代が若干安めに設定してあることが特徴です。
機械式は自走式に比べ狭い土地で造ることができますが、メンテナンス代や管理にお金がかかるため、駐車場代が高めに設定されていることが特徴です。

次に機械式を細かく見ていくと、
A 循環方式
・水平循環方式‐水平面内に2列以上配置することで、循環移動させる方式
・多層循環方式‐多段式で循環させることで、空間を最大限有効活用した方式
・垂直循環方式‐他方式に比べ構造が単純であり、ケージを一つずつ移動させることで連続入庫が可能な方式

B エレベーター方式
・自動車用エレベーター‐人を載せたまま車を昇降し、運搬する方式
・スライド式‐上下にスライドさせる方式
・エレベーター式‐エレベーターで車を上下させる方式

C 多段方式
・多段方式‐パレットが上下左右に移動する。三段以上方式
・二段方式‐パレットが二段のもの

D 平面往復方式‐車の横移動が可能な往復方式

と、バリエーションが豊富であり駐車場のタイプによって効率性やコスト面も変わってきます。都心などの繁華街などの場合どんなタイプでも採算はとれる予想ですが、時間貸しの場合時間や曜日、天候などによって売上が左右される可能性があります。月極めの場合は若干利益が低下しますが安定をとるならば時間貸しではなく、月極めにしたほうが良いでしょう。

駐車場もIT化

最近では、駐車場もクレジットカードを利用した決済システムが導入・実用化されています。これはキャッシュレスシステムの一例ですが、利用者がゲートに接近しステーションにクレジットカードを挿入するとカードを認識しゲートがオープンします。出庫する際も同じでステーションにクレジットカードを挿入、カード認証をし料金を精算することでゲートがオープンし出庫が可能となります。電子決済なので料金徴収は確実で、機械にたまったコインの回収もしなくて済むため、徐々にこのシステムは拡大しています。
駐車場の管理をネットワーク化すると、料金精算や売上管理、統計管理などを一元化することができるので、今後の経営の見通しも立てやすく事業経営をうまく軌道にのせることができます。安全で効率的なシステムを導入することで、利用者の利便性や安心を保障することとなります。駐車場経営で大事なのは、利用者にとっていかに便利で安全が守られているかです。また、規模が大きい駐車場では、サービスとして自動販売機の設置や水道・清掃用具の設置、トイレの設置など工夫している駐車場もあり、ただ車を置くだけではない付加価値をつけることでリピーターを促進、売上アップへとつなげる駐車場もあります。

最後に

img-97-2 他にも駐車場経営をより成功させるには、インターネットの活用が大事になってきます。「駐車場 場所」などといったキーワードで検索して頂ければ、駐車場案内サイトが表示されどこに何台駐車できるかといった情報を知ることができるので、こういったサイトにもフル活用し利用者を誘致しましょう。
経営に関わるスタンスは様々であり、自分がどこまで経営に関知するか、どういった経営スタイルにするかによっても利益の幅が変わってきます。安全な事業を行うためにも、まずはいろいろなサイトを検索したり資料請求をするなどし、誰もが利用しやすい駐車場を目指しましょう。

参考文献
『[駐車場]ビジネスの始め方・儲け方』山下和之著 株式会社ぱる出版 2005年7月11日初版発行
『駐車場経営ハンドブック』小濱岱治、小野攻編著 株式会社経営情報出版社 平成16年4月1日初版発行
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